NOVELS 小説
ひなビタ♪コラボ
第8話
想いを奏でて
やほほほほっ☆ まり花だよっ。
みんな、聞いて聞いて!
かっこかわいい超ハッピーな曲が完成したんだよっ。
んととんとね、この世界に落ちてきて、わたしたち、いっぱいいっぱい冒険したでしょ?
すっごく高くて、きらっきらに青い空さんとか、ひんやりしてる洞窟さんとか……。
いろんなところに行って、いろんな人と会って、思ったの。
住むところが違っても、みんなおんなじなんだって。
誰もがみんな、大好きな人とずっとずっと一緒にいたくて、大大大好きな夢を叶えたくて、そのためにいっぱいいっぱい努力してる。
だからオルフィニア大陸さんはこんなにまぶしいんだって思うんだ。
わたしたちの日向美商店街にだって負けないよっ。
そういうのを全部、ぎゅぎゅーっと詰め込んだ曲にしたの。
アルフェラさんが大陸中に告知を出すって言ってて……栄光の国Gloryのジルコニア学園長さんが「ジルコニア通信装置」さんを貸してくれたの。
これがあれば、大陸中にわたしたちの曲が届くんだって。
ふぉおおおおおおおおお! そこまでしてもらったら、絶対絶対成功させなきゃ!
今からリハーサルしてくるっ。みんな、応援しててね!
まり花だよっ。
いよいよ本番さんの日がやって来たんだ。
わたしたちも商店街やライブハウスで演奏したことはあるけど、今回はオルフィニア大陸全土に届くんだもん。全米ツアーならぬ大陸ライブさんなんだよっ。
イブとさきちゃんはずっとカタカタ震えてるの。
りんちゃんは「この程度、想定内よ」って言ってるけど、さっきから見てる楽譜が上下逆だよぅ。
めうめうは元気いっぱいだけど、これは緊張の裏返しみたいに見えるし……う~、わたしも震えてきちゃうよぅ。
でもでもでも、大丈夫だよ、絶対大丈夫だよっ!
大舞台に緊張する気持ちより、わたしたちの想いを届けたいって気持ちの方が強いんだっ。
この想いがあれば、きっと教皇様は目覚めてくれる。
奇跡を信じて……行ってきます!
ふぉおおおおおおおおおっ、まり花だよっ。
夢みたいなライブさんだったよ~!
ネオンちゃんが駆けつけてくれたの。でねでねでね、みんなで舞台に立ったんだっ。
わたしたち全員の想いが一つになって、それが大陸全土に広がって……次は、曲を聞いてくれてる人たちの想いが、わたしたちに返って来たの。
ぶわっとあったかくて優しい風が吹いてきて、わたしたちの「音」がもっともっと高く、どこまでも広がっていって……。
この大陸にいるみんなと合唱してるみたいだった。
でねでね、いつの間にか、ブタさんもステージにいたから笑っちゃった。
あの日、わたしたちをこの世界に案内してくれたブタさんは今日もころころ丸くて、すっごくかわいかった。
お歌を歌うのが好きみたいで、一緒に合唱もしたんだよっ。
新曲を披露した後も、いろんな曲を何曲も。
楽しかったぁ~!
まり花だよっ。
なんとなんと、教皇様が目を覚ましたの!
「異世界の奏者たちよ、感謝します。あなたたちの歌声はわたしたちを、この世界の英雄たちの魂を慰め、力を与えた。多くを学び、生み出す異世界の奏者たち……若き救世主たちの選択に、祝福を」
って笑ってくれたよ。
話の中身はちょっとよく分からなかったけど、すごく喜んでくれたのは伝わって来た。だからわたしたちも、とってもとってもうれしいんだっ。
目覚めた教皇様がわたしたちを元の世界に返してくれるんだって。
色々話し合ったけど、わたしたち、ネオンちゃんにジルコンギアの楽器を預けていくことにしたの。
アンプもなくて、全世界に音が伝わる楽器なんて、わたしたちの世界だと大騒動になっちゃうもんね。
ネオンちゃんはわたしたち一人一人の手を取って、「いつでも来てね。そのときはまた、一緒に歌いましょう」って言ってくれたの。
異世界で初めて会った、大切なお友達。わたしもお別れはさみしいよ~。
ううん、お別れじゃないよね! 絶対絶対、また会えるって信じてる!
それからわたしたちは教皇様の言葉に従って、5人で集まって、手をつないで、輪になって……。
そしたらまぶたの裏が真っ白になって、ネオンちゃんの声がどんどん遠くなって……それから、それから。